上場株といえば、トヨタやJR東海といった、誰でも知っている大会社の株をイメージする人も多いのではないでしょうか。
しかし、上場しているのは、有名企業の株だけではありません。知名度の高くない会社や、規模の小さな会社であっても、上場している企業はたくさんあります。
今回はその中でも、小型株と呼ばれる株について解説します。
大型株、中型株、小型株の違いについて
株には大きく分けて、大型株、中型株、小型株という種類があります。
大型株は最初の方で挙げたような、有名企業の株が該当するケースがほとんどですが、厳密に言うと、東証一部上場企業の株で、かつ、時価総額の1位から100位までの株が該当します。
いわゆる業界トップの銘柄が大型株に該当することが多く、個人投資家はもちろん、機関投資家が売買の中心にするのがこの銘柄です。そのため、流動性が高く、値動きも安定しているものがほどんどです。
高成長企業というよりも、安定感のある経営を長年続けている会社が大型株に分類される傾向が強いようです。
中型株は、東証一部上場企業の株のうち、時価総額が101位~400位までの株のことを言います。大型株ほどではないですが、こちらも銘柄によっては機関投資家が売買するものもあります。
なお、中型株には、業界第三位以下の会社や、高成長企業、独自のビジネスモデルや技術力に定評のある企業が多々あります。
中型株は大型株に比べると値動きは少々粗めです。その分、大型株よりも短期間での利益を狙えますが、流動性は大型株に劣るため、売買したいタイミングにそれができないケースもあります。
小型株は、東証一部上場企業のうち、時価総額が401位以下の銘柄や、東証二部、ジャスダックやマザーズといった新興市場の株のことをいいます。
中型株よりもさらに規模の小さい会社が多く、機関投資家が売買するケースは少なめで、売買の中心は個人投資家になります。そのため、流動性が低く、値動きも激しくなります。
また、銘柄によっては売買が成立しないこともあり、中型株に比べ、さらに売買の自由度に難点があります。
小型株投資で気を付けたいこと
すでに書いたとおり、小型株は流動性が低く、値動きも激しいことがほとんどです。かと思えば、まったく取引が成立せずに終わる日もあるなど、動きが安定しないのが特徴です。
機関投資家がカバーしていないものも多く、アナリストによる分析もほとんど行われていません。そのため、情報量が少ないという欠点もあります。
ここまで書くと、「小型株投資は危険だから避けよう」と思う人もいるかもしれません。
確かに、価格変動が激しく、買いたい・売りたいタイミングでの売買ができないというリスクが小型株にはあります。
その一方で、値動きが荒い分、大きな利益を短期間に得ることができる可能性があるのが小型株の魅力です。また、大型株に比べ、一株あたりの株価が低いケースが多いため、少ない資金で取引したい場合に向いているというメリットもあります。
ただ、小型株に投資する際には、気を付けたいポイントがあります。大型株や中型株よりも経営状態に不安要素があったり、財務状況が芳しくない会社もあるため、まずはしっかり成長しているかということと、自己資本比率が40%を超えているか、ということを確認しましょう。
小型株の中には、「鳴かず飛ばず」の状態を長年続けている会社もあるのです。そのような会社の場合、いつ経営状態が好転するか予想するのは難しいと言えます。毎回きちんと株主総会に出て、その都度、経営状況や事業の展望などを確認しなければならなくなりますが、そんな時間はない、という人がほとんどではないでしょうか。そのため、小型株を取引する際は、できるだけ成長企業を選びましょう。
また、自己資本比率が低いと、何かあった時に一気に経営状態が悪化し、倒産するリスクが高まります。いくら株価が低めの小型株とはいえ、倒産して価値がゼロになってしまっては、元も子もありません。
そうならないようにするためにも、自己資本比率は必ず押さえておくようにしましょう。
まとめ
株といえば、花形はやはり大型株になりますが、小型株にも大型株にはない魅力があります。
ただ、流動性や価格変動の面でリスクが高いというデメリットがあるのも事実です。
しかし、価格変動の激しさを逆手にとって、短期間で大きな利益を得られる可能性があるのも、小型株ならではの魅力です。
だからといって、小型株にやみくもに取引するのは良くありません。
小型株を取引するのであれば、きちんと成長していて、かつ、財務状況も良好な会社の株を選ぶようにしましょう。

株の学校123事務局

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