辻「こんにちは、辻瑠奈です。今日は、トレードトレーナーの酒井さんに教えてもらいたいと思います。まずは、信用取引について教わりたいと思います。」
酒井「今日は信用取引ということで、株は今までやったことはあるんですか?」
辻「初めてです。全然わかりません。信用取引というのも、ニュースでは聞くけれど何のことか分からない、という状態です。」
酒井「では信用取引について説明したいんですが、その前に普通の取引と信用取引の違いについて説明しながら、信用取引について説明していきたいと思います。辻さんは、今まで株の取引をやったことがないということですが、この画面を見てみて下さい。辻さんが気になる銘柄、つまりはその株の企業のことですが、有名な企業はだいたい上場していますから、その株を売買できます。何か、ちょっと気になる銘柄、見てみたい企業なんかはありますか?」
辻「えっと、日産自動車を。」
酒井「日産自動車。まあ有名ですね。当たり前ですけれど。本田とかもあります。日産自動車はここに表示されているんですが、ちょっと簡単に株式チャートを見てみますと、四角いのがいっぱいあるのがグラフですね。下に、12月、そして今年の1月と右に行けば行くほど、日付が最新になります。そして一番右が、今日ということになります。高さが値段を表示しているんですね。今現在は、だいたい1,050円くらいです。これが、昨日で1,050円になったんですね。これは、1株1,050円ということになっているんですね。グラフが上がっているのはどういうことかというと、5月くらいの株価がどうかというと850円だったんですね。それが現在1,050円になっているので、この2ヶ月くらいで日産自動車の株は上がったということなんですね。うやって、株は上がったり下がったりします。こういう風に変わっていくのが、私たちが売買している株、ということになるんですね。実際に買ったことはないんですが、日産を買おうと思った時に、一体いくらで買えるのかというのが気になりますよね。これを見ると色々な数字が出ていますが、この一番上の1,022円というのが、日産自動車の株価です。」
辻「1株1,022円ということですか?」
酒井「そうです。株というのは大体、1株や100株、1,000株単位で買えます。これを単元というんですけど、その単元ずつで買えるんですね。それで日産自動車の場合は、100株ずつで買えるんです。」
辻「それはどうやってわかるんですか?」
酒井「いいところ聞いてきますね。これは、慣れているとこの「板」というところの表示を見ると判断できるんです。ヒントとしては、隣と比較すると分かるんですが、少数点がない、というところですね。酒井こちらの方は小数点がないんですね。で、こちらの日産の方は小数点がある。どういうことかというと、こっちは1,000株単位で1単元ということなんですね。これが、慣れてくるとすぐわかるようになります。こちらのエーザイも見てみましょう。こちらに小数点があります。少数点があるということは、何株単位?」
辻「100株単位?」
酒井「そうですね。その隣もそうですし、そのさらに隣は小数点がないから、1,000株単位ということがわかります。これを知っているだけでも、何株で買えるのかということがもうわかりますね。」
辻「板には情報が詰まっているんですね。」
酒井「そうですね。見方を知っていると、すぐにいくらで買えるかっていう計算ができるんです。今の株かもわかるしね。では、日産自動車を買ってみたいということですが、これは1,022円で100株から買うことができるので、102,200円で買えるということです。約10万円で、日産自動車を1単元買うことができるんです。で、次買うには200株になるので、その場合は20万円必要となります。このように、株の投資資金はひつようになってくるんです。」
辻「始めるのに必要なお金がわかりました。」
酒井「自分の欲しい株を買うにはいくら必要か、この計算方法を知ることはまず基本です。」
辻「じゃあ、今回の日産自動車を買うとして、10万円なかったら始められないということですか?」
酒井「そういうことです。ただ、今回説明しようとしているのは信用取引のやり方です。実は、この信用取引というやり方であれば、10万円かかる日産自動車が3万円で買えるんです。約3分の1で買えるんです。」
辻「何をしたらいいんですか?気になります。」
酒井「気になりますよね、信用取引という制度を使うと、10万円のものが3万円、30万円のものが10万円と3分の1で買えるんです。ということができるのが、通常の取引です。何をするのかを言葉で表現するなら、レバレッジです。例えば100万円の資金を用意して、レバレッジ3倍ということで信用取引をすると、100万円の資金で300万円分の取引ができてしまうんです。これが、信用取引で株を売買するとできることです。実は、信用取引というのは、誰でもできるんです。」
辻「何か条件とかあるんじゃないんですか?」
酒井「色々とあるんですが、ハードルはすごく低いんです。やってみたくなりませんか?少ない資金で始められるっていうのが信用取引の大きなメリットです。信用取引口座が必要ですが、どの証券会社でも取引できます。手順としては、通常の証券口座を開設します。これはこういうネット動画で開設をしているので、ネット証券といわれる証券会社を使ってもらいたいんですよ。例えば、SBI証券ってご存知ですか?」
辻「はい、聞いたことはあります。」
酒井「SBI証券とか、カブドットコム証券、マネックス証券など、言われるとだいたい聞き覚えありますよね。ネットを介して、株を売買できる方法を提供しているのが、ネット証券なんです。で、ネット証券の何がいいかというと、手数料が安いんです。」
辻「どれくらい違うんですか?」
酒井「例えば、野村さんが聞いていたら怒るかもしれないけれど、野村證券で売買して手数料が1万円ですと。高いですよね。払いたいですか?」
辻「高いですよね。払いたくないです。取引しなくなっちゃいそう。」
酒井「そうですよね。手数料のために売買しているみたいになっちゃいます。野村證券は、やっぱり手数料が高いんですよね。取引する方は、沢山の株を持っていてお金がある方が多いですよね。私個人では、やっぱり何千万とあるわけではないので、なるべく手数料は安い方がいいじゃないですか。その手数料が、例えばSBI証券であれば100円で済むんです。」
辻「え?全然違いますね。」
酒井「全然違うんです。」
辻「そうですよね、そもそも3万円くらいで始めるとなると、手数料1万円というのはちょっと。」
酒井「全然違いますよ。それで、ネット証券では普通に証券口座を開設してから、ログインした中に、信用取引口座を開設するというボタンがあるんです。そのボタンを押して、普通の質問に答えていって、申請するというボタンをクリックすると、実はたいてい開くことができるんです。パソコンの中で、株を始めることができます。それで、口座を開設しました。するとどうなるかと言えば、レバレッジがかかっているので自分の買いたい銘柄の株価の3分の1くらいで買うことができるんです。100万円の資金で300万円の取引ができるので、全然違いますよ。」
辻「何か怖いこととかないんですか?」
酒井「いい質問ですね。こんなに膨らませてしまって大丈夫か、ということですね。」
辻「メリットもあれば、デメリットもあるんじゃないでしょうか?」
酒井「その通りです。これは3倍になっている分だけ、どれもこれも買ってしまう。300万円全部使ってしまいました。でも、元々は100万円しかなかったんですよ。」
辻「200万円の差額は、どうなるんですか?」
酒井「怖いですよね、でも安心してください。実は、自分のお金は100万円しかないのですが、自分が買った株の価値がいきなりゼロになるということはあり得ません。今日50万円で買った株が、明日いきなりゼロになるということはほぼないんです。要はつぶれないということですが、一部上場企業はそう簡単につぶれません。ということは、株価が50万円から47万円に値下がりした、というのを繰り返していくんです。だから300万円がなくなることは、まずないんです。また、少ない金額が溜まっていって100万円の元本が減っていったとします。実はパーセンテージで、『ここ以下になったら、その株を全部売ってしまって、現金化されます』という制度があるんです。」
辻「そんなシステムがあるんですね。じゃあ、下回ることはないんですか?」
酒井「はい、そうです。」
辻「マイナスになることはない、ということですよね?」
酒井「はい、自分が売りたくなくても、一定の割合を下回ると強制的に決済されてしまいます。だから株はメリットが多いのです。このシステムをまずは知っておきましょう。信用取引ではレバレッジが使え、そしてリスクを限定することが出来ます。そして、もう一つ最大のメリットをお伝えしたいんです。これについてはチャートで説明していきたいと思います。今、株式チャートを見ているのですが、これはトクヤマという銘柄です。2014年の1月に非常に上がっていた時期があったんですが、そこから6月までの間に下がっていますよね?株価は、2014年の1月時点で1株450円です。これは1,000株単位ですので、450円×1,000株になりますね。そうすると、いくらになりますか?」
辻「一、十、百、千、万、十万…45万。」
酒井「その通り!45万円です。そして今度は2014年の6月を見てみます。この時点の株価は1株300円です。30万円ですね。つまり、年初に45万円で買った株が、6月には30万になってしまっているんです。ということは15万円の損失です。どうしようもないですよね、もっと下がるか不安になります。株は下がることもある、ということですよね。でも、ある方法で取引すれば、同じ状況でも逆に15万円の利益を得ることが出来るんです。」
辻「どのようなやり方ですか?」
酒井「それは“空売り”です。これは信用取引のやり方の1つで、株価が下がると利益が出るという方法です。空売りについて聞いたことはありますか?」
辻「空売り?言葉だけは知っています。無いものを売っていそうなイメージです。」
酒井「そのようなイメージがありますよね。この空売りを利用すれば、株価が下がった時に利益を出せるのです。空売りというのは、簡単に言いますと、証券会社から株を借りてくるんです。そして、株式市場で借りてきた株を売るんです。そして安く買い戻すことで利益を得ます。空売りとはこういう仕組みで、証券会社が株を貸してくれるのです。」
辻「何の条件もなく貸してくれるのですか?」
酒井「実は、少し金利がかかります。でも、その金利さえ払えば株を貸してくれます。その株を高い時に売って、値下がりした時に買い戻して返せば、差額は利益になるんです。」
辻「なんだか不思議ですね。」
酒井「このような取引が、実際はパソコン上で出来ます。株価が下がりそうな銘柄を見つけたら、株を借りて、株価の高いところで売ればいいのです。」
辻「上がりそうな銘柄を見つけようというイメージしかなかったんですが、下がりそうな株を見つけても、良いことがあるんですね。不思議ですね。」
酒井「株価というのは、上がっても下がっても、利益を出せるんです。」
辻「上がるか下がるかの見極めさえ出来れば良いのですね?」
酒井「そういうことです。株価が下がったと言ってネガティブになる人もいますが、それでも受けることもできるんです。これから株をやろうと考えている人は、信用取引と空売りもやってみて欲しいです。もちろん、きちんと勉強をしてからやらないといけません。この空売りという取引方法があって、たとえ株価が下がったとしても利益を出せるということを知った上で、取引を始めてもいいのではないかと思います。」
辻「新しい考えでした。下がっても利益を出すことが出来るということなんですね。」
酒井「3倍の金額を取引できる、そして空売り。これを覚えておいてほしいと思います。」
辻「ありがとうございました。」

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